敗血症の治療に用いられる薬物の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ…
65 歳男性。悪性リンパ腫に対する化学療法実施後3 日目に 38.7 ℃ の発熱と悪寒を認め、血液検査では好中球が 400/μL に低下していたため、発熱性好中球減少症と診断された。広域抗菌薬による治療が開始されたが発熱は持続し、新たに行った血液検査では血小板数が6 × 10⁴/μL と急激な低下が認められたため、敗血症性播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断された。
敗血症の治療に用いられる薬物の作用機序に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ピペラシリンは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害し、細菌の葉酸合成を抑制する。ピペラシリンはPBPに結合して細胞壁合成を阻害します。ジヒドロ葉酸還元酵素阻害はトリメトプリムです。
- ⑵ セフトリアキソンは、ペプチドグリカン前駆体のペンタペプチド末端のD-アラニル-D-アラニンに結合し、細菌の細胞壁合成を抑制する。D-アラニル-D-アラニンに結合するのはバンコマイシンで、セフトリアキソンはPBPを阻害します。
- ⑶ ゲンタマイシンは、細菌のリボソーム 30S サブユニットに結合し、細菌のタンパク質合成を抑制する。ゲンタマイシンは30Sサブユニットに結合し、細菌のタンパク質合成を抑制します。
- ⑷ メロペネムは、ペニシリン結合タンパク質に結合し、細菌の細胞壁合成を抑制する。メロペネムはPBPに結合し、細菌の細胞壁合成を抑制します。
- ⑸ タゾバクタムは、DNA ジャイレースを阻害し、細菌の DNA 複製を抑制する。タゾバクタムはβ-ラクタマーゼ阻害薬です。DNAジャイレースを阻害するのはキノロン系薬です。
解説
正解は⑶と⑷です。ゲンタマイシンはアミノグリコシド系抗菌薬で、細菌リボソームの30Sサブユニットに結合してタンパク質合成を阻害し、殺菌的に作用します。メロペネムはカルバペネム系抗菌薬で、ペニシリン結合タンパク質(PBP)に結合して細胞壁のペプチドグリカン合成を阻害します。ピペラシリンやセフトリアキソンもβ-ラクタム系でPBPを阻害します。ジヒドロ葉酸還元酵素阻害はトリメトプリム、D-アラニル-D-アラニンへの結合はバンコマイシンの機序で、タゾバクタムはβ-ラクタマーゼ阻害薬です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成