レンサ球菌属に対して抗菌作用を示す薬物に関する記述として、正しいのはどれか。2つ…
6 歳男児。咽頭痛のため耳鼻咽喉科を受診した。血液検査で抗ストレプトリジンO(ASO)抗体と抗ストレプトキナーゼ(ASK)抗体の上昇が認められ、A 群溶血性レンサ球菌(溶連菌)咽頭炎と診断された。
レンサ球菌属に対して抗菌作用を示す薬物に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ セファレキシンは、細菌のピルビン酸転移酵素を阻害して、UDP-N-アセチルムラミン酸の合成を抑制する。セファレキシンはPBPを阻害するβ-ラクタム系です。ピルビン酸転移酵素を阻害するのはホスホマイシンです。
- ⑵ エリスロマイシンは、細菌のジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、テトラヒドロ葉酸の生成を抑制する。エリスロマイシンは50Sサブユニットに結合します。ジヒドロ葉酸還元酵素阻害はトリメトプリムです。
- ⑶ アモキシシリンは、細菌のペニシリン結合タンパク質に共有結合して、不可逆的にトランスペプチダーゼ活性を阻害する。PBPに共有結合してトランスペプチダーゼを不可逆的に阻害するので正答です。
- ⑷ クリンダマイシンは、細菌のリボソーム50S サブユニットに結合して、ペプチド転移酵素反応を阻害する。50Sサブユニットに結合してペプチド転移反応を阻害するので正答です。
- ⑸ アジスロマイシンは、細菌のリボソーム30S サブユニットと結合して、アミノアシルtRNA がmRNA と結合するのを阻害する。アジスロマイシンは50Sサブユニットに結合します。30SでアミノアシルtRNA結合を阻害するのはテトラサイクリン系です。
解説
正解は⑶と⑷です。アモキシシリンはペニシリン系抗菌薬で、ペニシリン結合タンパク質に共有結合してトランスペプチダーゼ活性を不可逆的に阻害し、細胞壁の架橋形成を妨げます。クリンダマイシンはリンコマイシン系で、リボソーム50Sサブユニットに結合してペプチド転移反応を阻害します。セファレキシンもPBPを阻害するβ-ラクタム系で、エリスロマイシンやアジスロマイシンは50Sに結合するマクロライド系です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成