高血圧の患者にエナラプリルマレイン酸塩の服用を開始したところ、数週間後から痰を伴…
高血圧の患者にエナラプリルマレイン酸塩の服用を開始したところ、数週間後から痰を伴わない乾いた咳が続くようになった。この咳が起こる機序として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ アルドステロンの分泌が増え、気道の粘膜にむくみが生じる。エナラプリルはアンジオテンシンⅡの産生を減らすため、アルドステロンの分泌はむしろ減ります。
- ⑵ 血管のカルシウムチャネルが遮断され、気道の血管が拡張する。カルシウムチャネルの遮断はカルシウム拮抗薬の作用で、エナラプリルの機序ではありません。
- ⑶ ブラジキニンの分解が抑えられ、気道に蓄積して咳を誘発する。アンジオテンシン変換酵素はブラジキニンの分解酵素でもあり、阻害で蓄積したブラジキニンが咳を起こします。
- ⑷ アンジオテンシンⅡ受容体が遮断され、気管支平滑筋が収縮する。エナラプリルは受容体遮断薬ではなく、またアンジオテンシンⅡ受容体の遮断で咳は起こりにくいです。
- ⑸ 気管支のβ2受容体が遮断され、気道が狭くなって咳が出る。これはβ遮断薬で注意する気管支収縮の機序で、エナラプリルには当てはまりません。
解説
最も適切なのは、ブラジキニンの分解が抑えられて咳を誘発するという機序です。アンジオテンシン変換酵素は、アンジオテンシンⅠをⅡに変える一方で、ブラジキニンを分解するキニナーゼⅡとしても働きます。エナラプリルでこの酵素を阻害すると、ブラジキニンやサブスタンスPが気道に蓄積し、乾いた咳を起こします。咳が続く場合は、ブラジキニンに影響しないアンジオテンシンⅡ受容体遮断薬への変更が検討されます。
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