手指の消毒で、消毒用エタノールはインフルエンザウイルスには効きやすいが、ノロウイ…
手指の消毒で、消毒用エタノールはインフルエンザウイルスには効きやすいが、ノロウイルスには効きにくい。この違いを最もよく説明する、ウイルスの構造上の特徴はどれか。
- ⑴ 芽胞をつくって休眠する性質があり、ノロウイルスは乾燥や薬剤に耐える。芽胞は一部の細菌がつくる構造で、ウイルスは芽胞をつくりません。
- ⑵ ノロウイルスの遺伝子は二本鎖DNAであり、アルコールでは変性しにくい。ノロウイルスの遺伝子は一本鎖RNAです。効きにくさは遺伝子の種類では説明できません。
- ⑶ インフルエンザウイルスの外側には脂質の膜があり、アルコールで壊される。エンベロープは脂質二重膜なので、アルコールで溶かされて感染性を失います。
- ⑷ 細胞壁をもたないことで、インフルエンザウイルスの内部にアルコールが入りやすい。ウイルスはどれも細胞壁をもたないので、2つのウイルスの違いを説明できません。
- ⑸ 逆転写酵素を使って増えるため、インフルエンザウイルスは酵素ごと失活する。インフルエンザウイルスはRNA依存性RNAポリメラーゼで増え、逆転写は行いません。
解説
違いを説明するのは、インフルエンザウイルスが脂質の膜(エンベロープ)をもつことです。エンベロープは宿主の細胞膜に由来する脂質二重膜で、アルコールや界面活性剤で容易に壊れ、感染に必要な表面たんぱく質も働かなくなります。ノロウイルスはエンベロープをもたず、たんぱく質の殻(カプシド)だけでできているため、アルコールに抵抗性を示します。そのため次亜塩素酸ナトリウムなどが用いられます。
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