68 歳の男性。右眼の急激な視力低下を主訴に来院した。視力は右0.02(矯正不能…
68 歳の男性。右眼の急激な視力低下を主訴に来院した。視力は右0.02(矯正不能)、左1.5(矯正不能)。眼底写真(別冊No. 4A)とフラッシュERG(別冊No. 4B)とを別に示す。考えられる疾患はどれか。
- ⑴ 後発白内障後発白内障は緩徐に進む視力低下で、ERGに特徴的な変化は生じません。
- ⑵ 糖尿病網膜症糖尿病網膜症は通常、急激な片眼の視力低下を来す典型ではありません。
- ⑶ 網膜色素変性網膜色素変性は緩徐に進行し、ERGは両眼とも消失型となります。
- ⑷ 後部硝子体剝離後部硝子体剝離は飛蚊症が主体で、高度の視力低下は来しません。
- ⑸ 網膜中心動脈閉塞症急激な視力低下と、b波が減弱する陰性型ERGが特徴です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。眼底写真とERGは確認できませんが、68歳の急激な片眼の視力低下(0.02)から、網膜中心動脈閉塞症が考えられます。眼底では網膜内層の虚血による白濁と、黄斑部が赤く浮き出て見える桜実紅斑が典型です。フラッシュERGでは、視細胞(a波)は脈絡膜循環で保たれる一方、網膜内層由来のb波が減弱して、a波よりb波が小さい陰性型(negative型)を示します。網膜色素変性のERGは消失型で、経過も緩徐です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp180511-10.html)を加工して作成