68歳の女性。結膜の瘢痕が進む病気で治療中である。涙の分泌量を調べると正常範囲だ…
68歳の女性。結膜の瘢痕が進む病気で治療中である。涙の分泌量を調べると正常範囲だが、角膜の表面に涙がとどまらず、すぐに乾いた部分ができる。結膜の杯細胞が大きく減っていることが分かった。角膜が乾きやすい理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 杯細胞が出すリゾチームが減り、細菌によって角膜の上皮が溶かされるため。リゾチームは主に涙腺から分泌される成分で、杯細胞の主な分泌物ではありません。
- ⑵ 杯細胞が出すムチンが減り、角膜の表面に涙の水分をとどめにくくなるため。杯細胞の分泌型ムチンは涙液の水分を角膜表面になじませて保ちます。減ると涙の量が足りていても表面が乾きます。
- ⑶ 杯細胞は主涙腺の導管にあり、減ると涙の水分が結膜嚢へ届かなくなるため。杯細胞は結膜の上皮に散らばる細胞で、涙腺の導管にあるわけではありません。涙の分泌量も正常です。
- ⑷ 杯細胞は涙点のまわりに集まり、減ると涙が鼻涙管へ流れ出やすくなるため。杯細胞は結膜全体に分布する細胞で、涙の排出の速さを調節する働きはもちません。
- ⑸ 杯細胞が出す脂質が減り、涙の表面から水分が蒸発しやすくなるため。涙の表面の油層をつくるのはマイボーム腺です。杯細胞が出すのはムチンです。
解説
最も適切なのは、杯細胞が出すムチンが減って角膜の表面に涙の水分をとどめにくくなるためという理由です。涙液層は、角膜に近い側からムチン、水分、油の層で考えられます。結膜の杯細胞が出すムチンは、はじきやすい角膜上皮の表面に水分をなじませる働きをもちます。杯細胞が減ると、涙の分泌量が正常でも涙が表面にとどまらず、涙液層が早く壊れて乾いた部分ができます。
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