60歳の男性。開放隅角緑内障で通院中である。眼底の観察で、視神経乳頭の下耳側の縁…
60歳の男性。開放隅角緑内障で通院中である。眼底の観察で、視神経乳頭の下耳側の縁が薄くなり、そこから弓のような形に網膜神経線維層の欠損が伸びている。この眼の視野検査で予想される変化として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 固視点を中心とする円形の暗点が生じ、その外側の視野は保たれる。中心の円形の暗点は、黄斑から乳頭の耳側へ向かう線維の障害でみられ、視神経炎などに多い所見です。
- ⑵ 周辺から同心円状に狭まり、中心の視野が最初に失われる。緑内障では中心の視野は末期まで残ることが多く、中心から先に失われる経過はとりません。
- ⑶ 上半分の視野に弓状の暗点が生じ、鼻側では水平の線を境にして止まる。下方の網膜の神経線維は上方の視野を受け持ちます。耳側の線維は水平の縫線で上下に分かれるため、欠損は鼻側で水平の線を境にします。
- ⑷ マリオット盲点が小さくなり、そのまわりの網膜感度が上がる。乳頭周囲の神経線維が失われると、盲点は小さくならず、周囲の感度が下がって盲点につながる暗点が生じます。
- ⑸ 耳側の視野が、固視点を通る垂直の線を境にして半分欠ける。垂直の線を境にした欠損は、視交叉より後方の経路の障害でみられます。網膜神経線維層の障害では水平の線が境になります。
解説
最も適切なのは、上半分の視野に弓状の暗点が生じ、鼻側で水平の線を境にして止まる変化です。網膜の像は上下が逆になるため、下方の網膜の神経線維が障害されると上方の視野が欠けます。黄斑より耳側の線維は水平の縫線で上下に分かれて弓状に乳頭へ向かうため、欠損は弓状となり、鼻側では水平の線で段差をつくります。緑内障ではこの形の暗点が早い時期から現れます。
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