45歳の男性。自転車で転んで頭を打ったあと、階段を下りるときや本を読むときに、物…
45歳の男性。自転車で転んで頭を打ったあと、階段を下りるときや本を読むときに、物が上下にずれて二重に見えるようになった。頭を左へ傾けると二重に見えにくくなる。右眼を内側へ向けたときに、右眼が下を向きにくい。障害されている神経として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 右の滑車神経で、右眼の上斜筋を支配する神経上斜筋は内転位で眼を下へ向けます。右の上斜筋の麻痺では、右へ頭を傾けると上下のずれが増すため、左へ傾ける頭位をとります。
- ⑵ 右の動眼神経の上枝で、上直筋と上眼瞼挙筋を支配する神経上枝の麻痺では上を向けず、眼瞼下垂も伴います。下を向く動きが制限されることはありません。
- ⑶ 右の外転神経で、右眼の外直筋を支配する神経外転神経の麻痺では外転が制限され、左右に並んだ二重に見えます。上下のずれは起こりません。
- ⑷ 左の外転神経で、左眼の外直筋を支配する神経左の外転神経の麻痺では左を見たときに左右にずれて見えます。上下の複視や頭の傾きは説明できません。
- ⑸ 右の顔面神経で、右の眼輪筋を支配する神経顔面神経は眼輪筋などの表情筋を動かす神経で、眼球運動には関わりません。
解説
最も考えられるのは右の滑車神経の障害です。滑車神経は上斜筋を支配し、上斜筋は眼が内側を向いた位置で眼を下へ向けます。そのため、下を見る階段や読書で上下の複視が目立ちます。また上斜筋は眼を内方へ回旋させる働きももち、麻痺側へ頭を傾けるとずれが大きくなるので、患者は反対側の左へ頭を傾けます。頭部の打撲は滑車神経麻痺の代表的な原因です。
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