22歳の男性。数か月の間に右眼、続いて左眼の視力が低下し、両眼に中心暗点がみられ…
22歳の男性。数か月の間に右眼、続いて左眼の視力が低下し、両眼に中心暗点がみられた。母方のおじにも若いころに同じ経過があった。遺伝子検査でミトコンドリアDNAの変異が見つかった。家族への説明として正しいのはどれか。
- ⑴ 両親からそれぞれ1つずつ変異を受け継いだ場合に、はじめて発症する。これは常染色体潜性遺伝の説明です。ミトコンドリアDNAは核の染色体のように両親から1組ずつ受け継ぐものではありません。
- ⑵ 変異をもつ人の子は男女を問わず、2分の1の確率で変異を受け継ぐ。これは常染色体顕性遺伝の伝わり方です。ミトコンドリアDNAの変異は、母親から子のほぼ全員に受け継がれます。
- ⑶ 父親が変異をもつ場合、娘は全員が保因者となり、息子には伝わらない。これはX連鎖潜性遺伝の伝わり方です。ミトコンドリアDNAは精子からは子へ受け継がれません。
- ⑷ 変異を受け継いだ人のうち、発症する割合は女性の方が男性より高い。この病気で発症するのは男性の方が多く、女性は変異をもっていても発症しないことが多くあります。
- ⑸ この変異は母親を通して子に伝わり、父親から子には伝わらない。ミトコンドリアは卵子の細胞質から受け継がれるため、ミトコンドリアDNAの変異は母系で伝わります。
解説
正しいのは、変異が母親を通して子に伝わり、父親からは伝わらないという説明です。症例はミトコンドリアDNAの変異によるレーベル遺伝性視神経症で、若い男性に両眼の視力低下と中心暗点が相次いで現れます。ミトコンドリアは卵子の細胞質から受け継がれるため母系遺伝となり、精子のミトコンドリアは子に伝わりません。変異をもっていても発症するのは男性に多いという特徴があります。
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