40歳の男性。腸の手術のあと脂質の吸収が悪くなり、半年ほど前から暗い所で物が見え…
40歳の男性。腸の手術のあと脂質の吸収が悪くなり、半年ほど前から暗い所で物が見えにくくなった。血液検査でビタミンAの不足が分かった。ビタミンAが不足すると暗い所で見えにくくなる理由として正しいのはどれか。
- ⑴ ビタミンAは網膜色素上皮のメラニンの材料で、不足すると眼の中で光が散らばって像がぼやけるため。メラニンはアミノ酸のチロシンから作られます。ビタミンA不足で暗い所が見えにくいのは視物質の問題です。
- ⑵ ビタミンAは視神経の髄鞘の材料で、不足すると杆体からの弱い信号が中枢へ伝わりにくくなるため。髄鞘の主な材料は脂質で、ビタミンAではありません。暗所での見えにくさは視細胞の段階で起こります。
- ⑶ ビタミンAが不足すると瞳孔散大筋が働かなくなり、暗い所でも瞳孔が開かずに光が入らないため。ビタミンA不足が瞳孔散大筋を働かなくすることはありません。夜盲は網膜の視物質の再生の障害で起こります。
- ⑷ 杆体の視物質はビタミンAからできる発色団とたんぱく質が結合したもので、その再生が滞るため。ロドプシンはビタミンA由来のレチナールとオプシンからなります。不足すると再生が滞り、暗所での感度が上がりません。
- ⑸ ビタミンAは錐体の視物質の材料で、明るい所から暗い所へ移ったときの最初の順応が失われるため。ビタミンA由来の発色団は錐体と杆体の両方の視物質に使われます。暗所視を担うのは主に杆体です。
解説
正しいのは、杆体の視物質がビタミンA由来の発色団とたんぱく質の結合でできており、その再生が滞るためという説明です。杆体のロドプシンは、レチナールとオプシンが結合したもので、光を受けると分解され、暗い所で再び合成されます。ビタミンAが不足するとこの再生が追いつかず、暗順応で杆体の感度が十分に上がらないため夜盲になります。錐体の視物質にも同じ発色団が使われます。
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