6歳の男児。オートレフラクトメータで両眼とも-1.50 Dの近視と測定されたが、…
6歳の男児。オートレフラクトメータで両眼とも-1.50 Dの近視と測定されたが、遠方視力は裸眼で両眼とも1.2あった。調節麻痺薬を点眼して測り直すと、両眼とも+0.50 Dの軽い遠視であった。最初の測定値が近視の側に出た理由として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 測定中に瞳孔が大きく開き、角膜の周辺部を通る光が遠視の側へ値をずらしたため。この説明では値は遠視の側へずれることになり、近視の側に出た結果と合いません。
- ⑵ 小児は角膜の曲率半径が成人より大きく、測定光が角膜で散乱して誤差が出たため。角膜の形で生じる誤差が近視側に一定して出る理由にはなりません。調節麻痺後に値が変わったことを説明できません。
- ⑶ 涙の層が厚くなって角膜の前に凹レンズのような層ができ、光を広げてしまったため。涙液の層の厚さで1.50 Dを超える一定の近視化が起こることはなく、調節麻痺後の変化も説明できません。
- ⑷ 器械をのぞき込むと近くを見ている感覚が生じ、調節が働いたまま測られたため。器械近視と呼ばれる現象です。調節力の大きい小児では、のぞき込む器械で調節が入り近視側に測定されやすくなります。
- ⑸ 小児の眼軸長が成人より長く、器械に入力された成人の値との差が近視に換算されたため。小児の眼軸長は成人より短いのがふつうです。また器械は眼軸長を入力して屈折を求めるものではありません。
解説
最も考えられるのは、器械をのぞき込むことで調節が働いたまま測られたためです。これは器械近視と呼ばれ、調節力の大きい小児で起こりやすく、実際より近視の側に値が出ます。裸眼視力が良いことや、調節麻痺薬を使うと軽い遠視に変わったことがこれを裏付けます。小児の屈折値は調節麻痺下で確かめることが大切です。角膜の形や涙液、眼軸長では説明できません。
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