48 歳の男性。下顎左側第一大臼歯の歯肉の腫脹を主訴として来院した。6 年前に治…
48 歳の男性。下顎左側第一大臼歯の歯肉の腫脹を主訴として来院した。6 年前に治療を受けたが、1 か月前から歯肉が腫れてきたという。自発痛はないが咬合痛がある。プロービング深さは全周3 mm 以内であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 31A)、ガッタパーチャポイント挿入時の口腔内写真(別冊No. 31B)及びエックス線画像(別冊No. 31C)を別に示す。診断名はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 急性単純性歯髄炎本例の歯は6年前に治療を受けた失活歯で、急性単純性歯髄炎には当たりません。
- ⑵ 急性化膿性歯髄炎急性化膿性歯髄炎は激しい自発痛を伴う歯髄炎で、本例の所見とは合いません。
- ⑶ 慢性潰瘍性歯髄炎慢性潰瘍性歯髄炎は露髄した生活歯髄の病態で、治療済みの本例には当たりません。
- ⑷ 歯髄壊死歯髄壊死は歯髄の病態で、根尖部の病変と瘻孔形成を伴う本例の診断名としては不適切です。
- ⑸ 急性単純性根尖性歯周炎急性単純性根尖性歯周炎は打診痛や自発痛が強く、瘻孔は形成しません。
- ⑹ 急性化膿性根尖性歯周炎急性化膿性根尖性歯周炎は強い自発痛や腫脹を伴う急性症状を示し、本例とは異なります。
- ⑺ 慢性単純性根尖性歯周炎慢性単純性根尖性歯周炎は化膿を伴わず、瘻孔を形成しません。
- ⑻ 慢性化膿性根尖性歯周炎瘻孔からのガッタパーチャポイントが根尖病変に達し、自発痛のない慢性経過を示します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑻です。写真は提示されていませんが、6年前に治療を受けた下顎第一大臼歯で、歯肉腫脹があり、自発痛はなく咬合痛があり、プロービング深さは3mm以内で歯周ポケットは形成されていません。ガッタパーチャポイントを瘻孔から挿入して撮影し、その先端が根尖部の透過像に達していることから、瘻孔の原因は根尖病変と確認できます。瘻孔を形成して排膿路があり、自発痛のない慢性経過であることから、慢性化膿性根尖性歯周炎と診断されます。治療済みの歯であり、歯髄炎や歯髄壊死には当たりません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成