63 歳の男性。右側下唇の知覚鈍麻を主訴として来院した。1 か月前から自覚し、最…
63 歳の男性。右側下唇の知覚鈍麻を主訴として来院した。1 か月前から自覚し、最近になり増悪してきたという。初診時の口腔内写真(別冊No. 28A)、エックス線画像(別冊No. 28B)、CT(別冊No. 28C)、MRI T 1 強調像(別冊No. 28D)、FDG-PET/CT(別冊No. 28E)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 28F、G)を別に示す。診断名はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 骨肉腫骨肉腫は腫瘍細胞が直接類骨を形成する肉腫で、組織像で扁平上皮の胞巣はみられません。
- ⑵ 下顎骨骨髄炎下顎骨骨髄炎でも知覚鈍麻を生じることがありますが、組織像は炎症所見で腫瘍細胞はみられません。
- ⑶ 原発性骨内癌顎骨内から発生する扁平上皮癌で、下歯槽神経への浸潤により下唇の知覚鈍麻を生じます。
- ⑷ エナメル上皮腫エナメル上皮腫は良性腫瘍で、通常は神経浸潤による知覚鈍麻をきたしません。
- ⑸ 歯原性角化囊胞歯原性角化囊胞は良性の囊胞性病変で、通常は知覚鈍麻をきたしません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。画像と病理組織像は提示されていませんが、中高年者の下顎で下唇の知覚鈍麻が出現し増悪していることから、下歯槽神経に浸潤する悪性腫瘍が疑われます。原発性骨内癌は、顎骨内の歯原性上皮の遺残などから発生する扁平上皮癌で、口腔粘膜に原発巣がないのが特徴です。画像では境界不明瞭な骨破壊、FDG-PETで集積がみられ、組織像では異型を示す扁平上皮の胞巣が骨内に浸潤します。骨肉腫は類骨形成、骨髄炎は炎症所見、エナメル上皮腫と歯原性角化囊胞は通常知覚鈍麻をきたしません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成