55 歳の男性。下顎右側第一大臼歯が痛むことを主訴として来院した。1 週前に歯が…
55 歳の男性。下顎右側第一大臼歯が痛むことを主訴として来院した。1 週前に歯が欠け、一過性の疼痛を自覚していたが、昨日から痛みが増大しているという。自発痛、打診痛および持続性の冷温水痛が認められる。初診時の口腔内写真(別冊No. 16A)とエックス線画像(別冊No. 16B)を別に示す。感染象牙質の除去後にまず行うのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 隔壁形成失われた窩壁を回復し、ラバーダム防湿と仮封の確実性を確保するため、まず隔壁を形成します。
- ⑵ 天蓋除去天蓋除去は隔壁を形成して防湿環境を整えた後に行います。
- ⑶ 根管口明示根管口明示は天蓋除去の後に行う手順です。
- ⑷ 覆髄材の貼薬自発痛と持続痛があり不可逆性歯髄炎と考えられるため、覆髄は適応になりません。
- ⑸ ケミカルサージェリーケミカルサージェリーは根管の拡大・形成時に薬剤で歯髄や汚染物を溶解する処置で、隔壁形成の後です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。写真は提示されていませんが、自発痛と持続性の冷温水痛から不可逆性歯髄炎と考えられ、抜髄を行います。歯が欠けて歯冠の窩壁が失われているため、感染象牙質を除去した後、まずコンポジットレジンなどで失われた窩壁を回復する隔壁形成を行います。隔壁によりラバーダム防湿が可能となり、根管内への唾液の侵入を防ぎ、仮封の保持や根管洗浄液の貯留も確実になります。天蓋除去や根管口明示はその後に行い、覆髄はこの状態では適応外です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成