24 歳の女性。下顎左側大臼歯部の疼痛を主訴として来院した。診察の結果、智歯周囲…
24 歳の女性。下顎左側大臼歯部の疼痛を主訴として来院した。診察の結果、智歯周囲炎と診断し抜歯することとした。局所麻酔中に顔面蒼白となり気分不快を訴えた。意識レベルはJCSⅡ-20 であった。AED を要請し、生体情報モニタ装着および静脈路確保を行った。このときの生体情報モニタ画面の写真(別冊No. 3)を別に示す。適切な対応はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 電気的除細動電気的除細動は心室細動や無脈性心室頻拍に行う処置で、徐脈には適応になりません。
- ⑵ 胸骨圧迫心マッサージ胸骨圧迫は心停止時に行う処置で、脈拍のある徐脈では第一選択ではありません。
- ⑶ ニトログリセリンの舌下投与ニトログリセリンは血管拡張薬で、血圧低下を伴う状態ではさらに血圧を下げるため禁忌です。
- ⑷ ニカルジピン塩酸塩の静脈内投与ニカルジピンは降圧薬で、血圧低下を伴う状態での投与は危険です。
- ⑸ アトロピン硫酸塩水和物の静脈内投与迷走神経反射による徐脈に対し、副交感神経を遮断して心拍数を回復させます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。写真は提示されていませんが、若年者が局所麻酔中に顔面蒼白と気分不快を訴えて意識レベルが低下しており、典型的には血管迷走神経反射による高度の徐脈と血圧低下がモニタに示されていると考えられます。迷走神経の過緊張による徐脈には、副交感神経遮断薬であるアトロピンを静脈内投与して心拍数を回復させ、水平位や下肢挙上も行います。電気的除細動は心室細動など、胸骨圧迫は心停止時の処置で、ニトログリセリンとニカルジピンは血圧を下げるため禁忌です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成