76 歳の男性。話しづらいことを主訴として来院した。3 年前に脳出血を発症したが…
76 歳の男性。話しづらいことを主訴として来院した。3 年前に脳出血を発症したが、現在リハビリテーションを受けておらず、主訴以外に気になる点はないという。上咽頭から評価した嚥下内視鏡検査の画像(別冊No. 37)を別に示す。影響を受けると思われるのはどれか。3 つ選べ。
- ⑴ / a /母音/a/は鼻咽腔閉鎖が不十分だと開鼻声となり、影響を受けます。
- ⑵ / m //m/は鼻腔に呼気を通す鼻音で、鼻咽腔閉鎖不全の影響を受けにくいです。
- ⑶ / n //n/も鼻音で、鼻咽腔閉鎖不全の影響を受けにくいです。
- ⑷ / p //p/は口腔内圧を高めてつくる破裂音で、鼻漏れにより弱くなります。
- ⑸ / t //t/は口腔内圧を必要とする破裂音で、鼻咽腔閉鎖不全の影響を受けます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑷と⑸です。画像は確認できませんが、脳出血後の話しにくさと上咽頭からの嚥下内視鏡評価から、軟口蓋の挙上不全による鼻咽腔閉鎖不全が考えられます。鼻咽腔閉鎖不全では呼気が鼻腔へ漏れるため、口腔内圧を必要とする/p/や/t/などの破裂音が弱くなり、母音/a/も開鼻声となって影響を受けます。/m/や/n/はもともと鼻腔に呼気を通してつくる鼻音であるため、鼻咽腔閉鎖不全の影響を受けにくいです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成