75 歳の男性。1 週前に装着した上顎全部床義歯の使用時の疼痛を主訴として来院し…
75 歳の男性。1 週前に装着した上顎全部床義歯の使用時の疼痛を主訴として来院した。適合試験材を義歯に塗布し、下顎の側方運動を行わせた。来院時の口腔内写真(別冊No. 28A)、側方運動時の顔貌写真(別冊No. 28B)及び運動後の義歯の写真(別冊No. 28C)を別に示す。疼痛の誘因となっているのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 頰骨弓頰骨弓は義歯床縁から離れており、側方運動で義歯と接触することはありません。
- ⑵ 筋突起側方運動時に筋突起が上顎義歯の頰側床縁後方部に接触し、疼痛を誘発します。
- ⑶ 関節突起関節突起は顎関節にあり、義歯床縁とは接触しません。
- ⑷ 茎状突起茎状突起は側頭骨から下方に伸びる突起で、義歯と接触することはありません。
- ⑸ 翼状突起翼状突起は義歯後縁付近にありますが、側方運動で床縁に干渉する構造ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。写真は確認できませんが、側方運動時に下顎の筋突起が前内方へ移動し、上顎義歯の頰側床縁後方部(上顎結節の頰側)と接触して床縁を押すことで、義歯の動揺や粘膜の疼痛を生じることがあります。適合試験材を塗布して側方運動を行わせると、筋突起が当たる部位の床縁外面に圧痕が現れるため、その部分の床縁を削合して厚みを減らします。ほかの構造は上顎義歯の床縁とは接触しません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成