59 歳の女性。下顎左側第一大臼歯の歯冠修復物脱離を主訴として来院した。2か月前…
59 歳の女性。下顎左側第一大臼歯の歯冠修復物脱離を主訴として来院した。2か月前に脱離したが痛みがないためそのままにしていたという。プロービング深さは全周3 mm 以下で歯髄電気診に生活反応を示した。初診時の口腔内写真(別冊No. 20A)とエックス線画像(別冊No. 20B)を別に示す。まず行うのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 抜髄歯髄が長期間露出して慢性炎症に陥っていると考えられ、抜髄が適応となります。
- ⑵ 裏層裏層は健全な象牙質が残る窩洞に行う処置で、露髄した歯髄炎には対応できません。
- ⑶ 間接覆髄法間接覆髄法は露髄していない健全歯髄に行う処置で、本症例には適応されません。
- ⑷ 感染根管治療感染根管治療は歯髄が失活した歯に行う処置で、生活歯髄の本症例には該当しません。
- ⑸ 暫間的間接覆髄法暫間的間接覆髄法は露髄の危険がある深在性齲蝕で歯髄が健全な場合に行う処置です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。写真とエックス線画像は確認できませんが、修復物の脱離後2か月放置され、痛みはないものの歯髄電気診で生活反応を示すことから、露髄部から歯髄組織が増殖して窩洞内に突出した慢性増殖性歯髄炎(歯髄ポリープ)などが考えられます。歯髄が慢性炎症に陥り、口腔内に長期間露出しているため歯髄の保存は困難で、抜髄が適応となります。覆髄法は歯髄に炎症が及んでいない場合に限られます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成