62歳の男性。5年前に中咽頭癌に対して、両側の下顎骨を含む範囲に放射線治療を受け…
62歳の男性。5年前に中咽頭癌に対して、両側の下顎骨を含む範囲に放射線治療を受けた。下顎の臼歯部に中等度の歯周炎があり、5〜6mmの歯周ポケットがある。この患者の歯周治療を計画するうえで正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 照射から5年たっているため、照射を受けていない人と同じように歯周外科治療を行う。照射による骨の変化は長く続き、年数がたっても危険は残ります。
- ⑵ 歯周ポケットのある歯は、予防のために抜歯しておく。照射された顎骨での抜歯は骨壊死の危険が高く、安易に行いません。
- ⑶ 唾液が多く出ているため、齲蝕の予防は必要ない。照射後は唾液が減り、齲蝕の危険が高まるため予防が必要です。
- ⑷ 照射された骨は治る力が弱く、外科的な処置はできるだけ避ける。照射後の顎骨は血流が乏しく、外科処置をきっかけに放射線性骨壊死を起こすおそれがあります。
- ⑸ スケーリング・ルートプレーニングと、清掃指導やフッ化物の応用を中心に管理する。非外科的な治療と予防を中心に、感染と齲蝕を抑えます。
解説
正しいのは、照射された歯槽骨は治る力が弱いため外科的な処置はできるだけ避けること、スケーリング・ルートプレーニングと清掃指導やフッ化物の応用を中心に管理することの2つです。放射線治療を受けた顎骨は、血管が減って骨の治癒力が落ちており、抜歯や歯周外科をきっかけに放射線性骨壊死を起こすおそれがあります。唾液も減って齲蝕が増えやすいため、非外科的な治療と予防を中心に長く管理します。
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