8歳の男児。2か月前に上顎左側中切歯を打撲し、亜脱臼と診断された。歯根はまだ形成…
8歳の男児。2か月前に上顎左側中切歯を打撲し、亜脱臼と診断された。歯根はまだ形成の途中である。外傷のあとの歯髄の状態を判断するため、定期的に診察している。歯髄が壊死したと判断する根拠として最も確かなのはどれか。
- ⑴ 受傷の翌日に、冷たい水が一瞬しみると訴えた。冷水に反応することは、歯髄が生きていることを示します。
- ⑵ 根尖の周りに透過像が現れ、歯根の発育が止まっている。根尖の透過像と歯根の発育の停止は、歯髄の壊死と感染を示す確かな所見です。
- ⑶ 受傷の数日後まで、打診で軽い痛みが続いた。受傷後しばらくの打診痛は歯根膜の損傷によるもので、歯髄の壊死の根拠にはなりません。
- ⑷ 受傷の数日後に、歯冠が一時的に薄い赤みを帯びて見えた。受傷後の一時的な色の変化は、歯髄が回復する過程でもみられます。
- ⑸ 受傷の直後に、歯髄電気診で反応がみられなかった。受傷の直後は神経の一時的な障害で反応しないことがあり、のちに回復することもあります。
解説
歯髄が壊死したと判断する根拠として最も確かなのは、根尖の周りに透過像が現れ、歯根の発育が止まっていることです。外傷の直後は、歯髄の神経が一時的に障害されて電気診に反応しなかったり、歯冠の色が一時的に変わったりしますが、時間がたつと回復することがあります。そのため、単一の所見で決めず、エックス線写真の変化や瘻孔、持続する変色などを組み合わせて判断し、壊死が確かになってから処置を行います。
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