55歳の男性。下顎右側第一大臼歯に深い齲蝕があり、根管治療を行えば保存できる見込…
55歳の男性。下顎右側第一大臼歯に深い齲蝕があり、根管治療を行えば保存できる見込みであると説明した。患者は説明を聞いたうえで「通院の回数が多いのは困るので抜歯してほしい」と希望した。担当歯科医師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 利点と欠点を本人が理解しているかを確かめ、そのうえでの選択を尊重する。説明を理解したうえでの自己決定を尊重することが、インフォームド・コンセントの考え方です。
- ⑵ 説明した内容と、本人が抜歯を選ぶに至った経過を、その日のうちに診療録に記載する。説明と選択の経過を記録しておくことで、診療の透明性が保たれ、後から確かめることもできます。
- ⑶ 成人の本人の意思よりも家族の意見を優先し、配偶者の同意書が得られるまで方針を保留する。判断能力のある成人の治療方針は本人が決めます。家族の同意は前提になりません。
- ⑷ 抜歯を選ぶのであれば他院を受診するよう伝え、紹介状を作らずにその日の診療を終える。患者の選択を理由に診療を打ち切ることは、患者中心の医療に反します。
- ⑸ 医学的には保存が望ましいため、本人の了解を得ないまま次回の来院時から根管治療を始める。本人の同意なく治療方針を決めるのはパターナリズムで、患者の自己決定権を侵します。
解説
適切なのは、利点と欠点を理解しているかを確かめたうえで本人の選択を尊重すること、説明と選択の経過を診療録に記載することの2つです。インフォームド・コンセントは、十分な説明を受けて理解した患者が自ら治療を選ぶことです。歯科医師が医学的に望ましいと考える方針と異なっても、判断能力のある成人の選択は尊重されます。家族の同意を条件にしたり、選択を理由に診療を打ち切ったりするのは適切ではありません。
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