48歳の男性。下顎左側第一大臼歯の痛みを主訴に来院した。問診で、3週間以上せきと…
48歳の男性。下顎左側第一大臼歯の痛みを主訴に来院した。問診で、3週間以上せきと痰が続き、寝汗をかいて体重が減っていると話した。発熱は微熱程度で、歯痛は鎮痛薬でおさまっている。この患者への対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 術者と介助者がサージカルマスクを2枚重ねて着け、当日のうちに齲窩の切削を進める。サージカルマスクを重ねても結核菌の吸入は防げず、空気感染の防護には適しません。
- ⑵ 処置後にユニットの表面を消毒用エタノールで拭くことにして、同日に抜髄を行う。表面の消毒は接触感染の対策で、空気中に漂う結核菌への対策にはなりません。
- ⑶ 急ぐ必要のない歯科処置は延期し、マスクを着けてもらって内科で結核の検査を受けるよう紹介する。空気感染する結核が疑われるため、エアロゾルの出る処置を避け、まず医科で診断を受けてもらいます。
- ⑷ 標準予防策を守っていれば感染は十分に防げるため、予定どおり超音波スケーラーで全顎の歯石を除去する。結核は空気感染するため、標準予防策に加えて空気感染対策が必要で、エアロゾルの出る処置は避けます。
- ⑸ 抗菌薬を数日分処方して症状を抑え、せきが軽くなった時点で通常の歯科治療を始める。結核の診断がないまま抗菌薬で症状を抑えると、診断が遅れて周囲への感染が広がるおそれがあります。
解説
最も適切なのは、急ぎでない歯科処置を延期し、マスクを着けてもらって内科で結核の検査を受けるよう紹介することです。2週間以上続くせきと痰、寝汗、体重の減少は肺結核を疑う症状です。結核は空気感染するため、標準予防策だけでは防げず、エアロゾルの出る処置は感染を広げる危険があります。歯痛は鎮痛薬でおさまっているので、医科での診断を優先し、感染性が否定されてから歯科治療を行います。
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