50歳の女性。下顎左側第一大臼歯の頬側歯肉が腫れることを主訴に来院した。同歯の近…
50歳の女性。下顎左側第一大臼歯の頬側歯肉が腫れることを主訴に来院した。同歯の近心根に沿って根尖まで達する幅の狭い深い歯周ポケットが1か所あり、ほかの部位の歯周ポケットは3mm以下である。同歯は電気歯髄診断に反応せず、エックス線写真で近心根の根尖部に透過像がある。この歯について正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 深いポケットがあるため、根管治療より先に歯周外科で骨の形を整える。原因が歯髄にある可能性が高く、先に骨を外科的に扱うと治るはずの組織を失うおそれがあります。
- ⑵ この1か所の深いポケットは、全顎的に進んだ慢性歯周炎を示す所見である。ほかの部位は3mm以下で、全顎的な歯周炎の所見はありません。
- ⑶ 歯髄由来の病変が、歯根膜に沿って歯肉溝へ排膿路をつくった可能性がある。失活歯で根尖病変があり、局所に細く深いポケットが1か所だけある所見は、歯内由来の排膿路と合います。
- ⑷ まず根管治療を行い、その後の歯周組織の変化をみて歯周治療の要否を決める。歯内由来の病変は根管治療で治ることが多いため、根管治療を先に行って反応を確かめます。
- ⑸ 歯髄の反応が無いのは、歯周炎で根面の象牙細管が閉鎖したためである。電気歯髄診断に反応しないのは歯髄が失活しているためで、象牙細管の閉鎖では説明できません。
解説
歯髄由来の病変が歯根膜に沿って排膿路をつくった可能性があること、まず根管治療を行ってから歯周治療の要否を決めることの2つが正しいです。失活歯の根尖病変があり、1か所だけ幅の狭い深いポケットが根尖まで達する所見は、歯内由来の病変が歯周組織に及んだ形と合います。この場合は根管治療だけでポケットが閉じることも多いため、根管治療の後に歯周組織を再評価し、残った病変に歯周治療を行います。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。