8歳の男児。下顎右側第一大臼歯の深い齲蝕で来院した。冷たい物で一瞬しみるが、自発…
8歳の男児。下顎右側第一大臼歯の深い齲蝕で来院した。冷たい物で一瞬しみるが、自発痛や打診痛はない。エックス線写真では歯根が短く、根尖が大きく開いている。齲蝕を除去したところ露髄し、鮮紅色の出血はすぐに止まった。この歯への処置として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 齲窩を開放したまま排膿路を確保し、急性の症状が引くまで次の処置を控える。排膿や急性症状はなく、化膿性の炎症に対する対応はこの歯には当てはまりません。
- ⑵ 第二大臼歯の萌出を待ってこの歯を抜去し、空いた位置へ後方の第二大臼歯を移動させる。症状は可逆的で歯髄を残せる状態のため、保存できる歯を抜く理由がありません。
- ⑶ 露髄部の周囲の炎症のある歯髄を除去し、残した生活歯髄で歯根の形成を続けさせる。根未完成の生活歯では、健康な歯髄を残すことで歯根の伸長と根尖の閉鎖が続きます。
- ⑷ 歯髄を根尖まで除去し、ガッタパーチャで根管を緊密に充塡して治療を終える。根尖が開いた薄い歯根では緊密な充塡が難しく、歯根の発育もそこで止まってしまいます。
- ⑸ 根管に水酸化カルシウムを長期間置き、開いた根尖に硬組織の壁をつくらせる。これは歯髄が失活した根未完成歯に行う方法で、生活歯髄を残せるこの歯には選びません。
解説
露髄部周囲の炎症のある歯髄を除去して断髄し、残した生活歯髄で歯根の形成を続けさせる処置が最も適切です。この歯は自発痛や打診痛がなく、出血もすぐ止まることから、歯髄の炎症は表層にとどまると考えられます。根未完成の幼若永久歯では、歯髄を生かして残すことで歯根が伸び、根尖が閉じていきます。歯髄が失活した場合に行う根尖の硬組織形成の誘導や、抜髄して根管充塡する方法は、この段階では選びません。
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