50歳の男性。下顎右側第一大臼歯で硬い物を噛んだときに鋭い痛みが走り、噛むのをや…
50歳の男性。下顎右側第一大臼歯で硬い物を噛んだときに鋭い痛みが走り、噛むのをやめた瞬間にも痛むと訴えて来院した。この歯には咬合面から近遠心の隣接面に及ぶ大きなコンポジットレジン修復がある。冷水で一過性にしみるが、自発痛はない。透照診で、頬側の咬頭を横切る近遠心方向の亀裂線が確認された。この歯への対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 亀裂の入った歯を抜去し、両隣在歯を支台とするブリッジを作る。亀裂が歯冠に限られる段階では歯を保存でき、抜去は過剰な処置です。
- ⑵ 抜髄と根管充塡を先に行い、症状が消えるまで修復を延ばす。歯髄は生活しており、まず咬頭の被覆で亀裂への負担をなくすことが優先されます。
- ⑶ 冷水痛を抑えるため、歯頸部に知覚過敏抑制材を塗布する。症状の原因は亀裂で、歯頸部の知覚過敏の処置では改善しません。
- ⑷ 亀裂のある咬頭の高さを下げ、今の修復物のまま使い続ける。咬頭を下げても亀裂は残り、咬合のたびに亀裂が広がるおそれがあります。
- ⑸ 咬頭を被覆する修復物で歯冠を一体にまとめ、亀裂の進展を防ぐ。咬頭を覆う修復で咬合力を分散させ、亀裂が深部へ広がるのを防ぎます。
解説
咬頭を被覆する修復物で歯冠を一体にまとめ、亀裂の進展を防ぐのが最も適切です。噛んだときと噛むのをやめたときの鋭い痛みは、歯冠の亀裂に特徴的な症状です。大きな修復で咬頭が薄くなった歯に生じやすく、透照診で亀裂線を確認できます。咬頭を覆う形の修復で咬合力を歯冠全体に分散させると、亀裂の広がりを防げます。亀裂が歯髄や歯根に及ぶと、保存が難しくなります。
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