9歳の男児。上顎右側中切歯を打撲し、歯冠が破折した。歯根はまだ形成の途中であった…
9歳の男児。上顎右側中切歯を打撲し、歯冠が破折した。歯根はまだ形成の途中であった。その後の経過で、この歯の歯根の伸びが止まってしまった。歯根の長さと形を決める働きをもち、損傷が疑われる組織はどれか。
- ⑴ 歯乳頭の周りの歯小嚢歯小嚢はセメント質や歯根膜を作りますが、歯根の形と長さを決めるのは上皮鞘です。
- ⑵ ヘルトヴィッヒ上皮鞘上皮鞘は歯根の形成を誘導し、その形と長さを決めるため、損傷すると根の形成が止まります。
- ⑶ 歯堤歯堤は歯胚の発生の初めに作られる上皮で、歯根の形成には関わりません。
- ⑷ 縮合エナメル上皮縮合エナメル上皮は萌出前の歯冠を覆い、萌出後は付着上皮のもとになります。
- ⑸ 星状網星状網はエナメル器の中の細胞で、エナメル質の形成期に働き、歯根は作りません。
解説
ヘルトヴィッヒ上皮鞘が、歯根の長さと形を決める組織です。歯冠の形成が終わると、内エナメル上皮と外エナメル上皮が根尖方向へ伸びて上皮鞘を作ります。上皮鞘は歯乳頭の細胞を象牙芽細胞に分化させ、歯根の象牙質の形成を誘導します。外傷などで上皮鞘が傷つくと、歯根の形成が止まって短い根のままになります。その後、上皮鞘の残りはマラッセの上皮遺残になります。
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