68歳の男性。下顎右側第二大臼歯の歯根破折のため抜歯が必要であると説明したところ…
68歳の男性。下顎右側第二大臼歯の歯根破折のため抜歯が必要であると説明したところ、「抜くかどうか、妻とも相談してから決めたい」と話した。歯科医師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 説明はすでに終えているため、同意書への署名をその場で求めて抜歯の日程を決める。相談したいという申し出を退けて署名を急がせると、自由な意思による同意になりません。
- ⑵ 妻の意向を本人の意向より優先し、妻が決めた内容に沿って抜歯の可否を決める。判断能力のある成人では、治療を決めるのは本人であり、家族ではありません。
- ⑶ 専門的な判断は歯科医師が担うものとして、抜歯を決定したうえで予約を入れる。歯科医師が一方的に決める進め方は、患者の自己決定を尊重していません。
- ⑷ 次回の来院時に妻にも同席してもらい、病状と治療の選択肢をあらためて説明する。家族と一緒に説明を聞くことで、本人が納得して決めやすくなります。
- ⑸ 抜歯しなかった場合に起こりうる経過も伝え、本人が判断するための時間をとる。治療しない場合の見通しも含めて説明し、本人の意思決定を支えることが大切です。
解説
次回に妻の同席のもとで説明し直すことと、抜歯しない場合の経過も伝えて本人が判断する時間をとることが適切です。インフォームド・コンセントでは、十分な説明を受けたうえで患者が自分の意思で治療を選ぶことが求められます。家族と相談したいという希望は尊重し、同席での説明を提案します。一方で、決めるのは判断能力のある本人であり、家族の意向を優先したり、歯科医師が一方的に決めたり、署名を急がせたりしてはいけません。
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