25歳の男性。下顎右側第一大臼歯の深い齲蝕を主訴に来院した。冷たい物で一時的にし…
25歳の男性。下顎右側第一大臼歯の深い齲蝕を主訴に来院した。冷たい物で一時的にしみるが、自発痛や夜間痛はない。エックス線写真では齲蝕が歯髄に近接しているが、根尖部に異常はない。軟化象牙質をすべて除去すると露髄するおそれが高い。この歯に対する処置として適切なのはどれか。
- ⑴ 歯髄に近い軟化象牙質を残して覆い、数か月後に残りを除去する。暫間的間接覆髄法で、残した象牙質の再石灰化と第三象牙質の形成を待ってから除去します。
- ⑵ 症状が軽いため齲蝕には手を付けず、次の定期健診まで経過をみる。象牙質の深い齲蝕を放置すると、歯髄に感染が及びます。
- ⑶ 歯髄が露出するまで軟化象牙質を除去し、露出した部位に直接覆髄を行う。あえて露髄させると歯髄を保存できる見込みが下がります。
- ⑷ 歯髄の保存は難しいと判断し、初回に抜髄を行う。自発痛がなく可逆的な状態と考えられ、歯髄を保存する処置を優先します。
- ⑸ 歯根の周りに異常がないので、抜歯をして補綴を計画する。保存できる歯を抜歯する理由はありません。
解説
歯髄に近い軟化象牙質を一部残して薬剤で覆い、数か月後に再び開けて残りを除去する暫間的間接覆髄法が適切です。自発痛がなく、一時的にしみる程度の症状であれば、歯髄の炎症は元に戻り得る段階と考えられます。露髄のおそれがある深い部分の軟化象牙質を残して水酸化カルシウム製剤などで覆い、仮封しておくと、残した象牙質の再石灰化と第三象牙質の形成が進み、露髄させずに除去できるようになります。
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