45歳の女性。甲状腺の全摘出術を受けた翌日から、口の周りと手指のしびれを訴え、手…
45歳の女性。甲状腺の全摘出術を受けた翌日から、口の周りと手指のしびれを訴え、手指がこわばってけいれんするようになった。この症状の原因として考えられるのはどれか。
- ⑴ 副腎皮質のアルドステロンが不足し、高カリウム血症が起きた。アルドステロンは副腎皮質から分泌され、甲状腺の手術で減ることはありません。
- ⑵ 抗利尿ホルモンが過剰に分泌され、低ナトリウム血症が起きた。低ナトリウム血症では意識障害が目立ち、甲状腺手術後のしびれの説明になりません。
- ⑶ 膵臓からのインスリン分泌が増え、低血糖が起きた。低血糖では冷汗や動悸、意識障害が主にみられ、甲状腺手術との関わりはありません。
- ⑷ 手術の際に副甲状腺が傷つき、低カルシウム血症が起きた。手術で副甲状腺が傷つくと副甲状腺ホルモンが減り、低カルシウム血症によるテタニーが起こります。
- ⑸ 甲状腺ホルモンが一度に放出され、甲状腺クリーゼが起きた。甲状腺クリーゼでは高熱や頻脈が目立ち、全摘出後は甲状腺ホルモンがむしろ不足します。
解説
副甲状腺ホルモンの分泌が減り、血中カルシウム濃度が下がったことが原因と考えられます。副甲状腺は甲状腺の背側にある小さな器官で、甲状腺の手術の際に傷ついたり血流が損なわれたりすることがあります。副甲状腺ホルモンは骨からのカルシウムの放出や腎臓での再吸収を促して血中カルシウム濃度を上げるため、分泌が減ると低カルシウム血症となり、口の周りや手指のしびれ、テタニーが起こります。
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