退院から2か月後、A さんは杖歩行が安定し、時間をかけて調理や買い物を自分で行う…
次の文を読み91〜93 の問いに答えよ。A さん(73 歳、女性)は1人で暮らしており、脳梗塞で入院した。A さんは左半身に麻痺があり、認知機能障害はない。4点杖を使用して歩行が可能となり、住宅改修をして自宅に退院した。退院後は、降圧薬と抗血栓薬が処方され、服薬管理と健康管理の目的で訪問看護を週1回、調理と買い物代行の目的で訪問介護を週1回利用している。A さんは「昨日、退院して初めて1人で買い物に行ったら転びそうになって、横にいた人に支えてもらったんです」と訪問看護師に話した。
退院から2か月後、A さんは杖歩行が安定し、時間をかけて調理や買い物を自分で行うようになった。看護師が訪問したとき、A さんから「最近トイレに間に合わずに尿が漏れてしまうことがあるんです。恥ずかしいので排泄だけは人の世話になりたくないんです。良い方法があれば教えてください」と相談された。このときの訪問看護師のA さんへの助言で最も適切なのはどれか。
- ⑴ 「パンツ型オムツを使ってみましょう」おむつの使用は失禁を前提とした対応で、自分でトイレで排泄したいという希望に沿いません。まず自立を支える方法を試すことが先です。
- ⑵ 「ポータブルトイレを使ってみましょう」杖歩行が安定しトイレまで行けるため、ポータブルトイレの必要性は低く、人の世話になりたくないという希望にも沿いません。
- ⑶ 「夕食後は水分を摂り過ぎないようにしましょう」訴えは夜間の排尿ではなく、日中に間に合わずに漏れてしまうことです。過度の水分制限は脱水や便秘を招くため、最初に勧める助言ではありません。
- ⑷ 「ご自分の排尿間隔に合わせてトイレに行きましょう」排尿の記録から自分の排尿間隔を把握し、その間隔に合わせて尿意を待たずにトイレへ行くことで、間に合わずに漏れることを減らせます。希望にも沿う方法です。
解説
正解は⑷です。Aさんはトイレまで歩いて行けるようになっており、排泄を人に頼りたくないという明確な希望を述べていますので、自分でトイレで排泄できる方法を一緒に考えることが最も適切です。排尿の記録から自分の排尿間隔を把握し、その間隔に合わせて尿意を待たずにトイレへ行く方法をとれば、間に合わずに漏れてしまうことを減らせます。おむつやポータブルトイレは本人の希望に沿わず、排泄の自立を後退させるため、この時点で最初に勧める方法ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-03_04_05.html)を加工して作成