Aさんは入院し、リトドリン塩酸塩の点滴静脈内注射が開始された。しかし、開始翌日か…
次の文を読み44〜46 の問いに答えよ。Aさん(40 歳、初産婦)。半年間の不妊治療を受け、クエン酸クロミフェンの内服によって妊娠に至った。経腟超音波検査で子宮内に胎囊が3つ認められ、三胎妊娠と診断された。妊娠9週で総合周産期母子医療センターの産科に紹介され受診した。
Aさんは入院し、リトドリン塩酸塩の点滴静脈内注射が開始された。しかし、開始翌日から全身の発疹と肝機能異常とが出現したため、リトドリン塩酸塩は中止となり、マグネシウム硫酸塩の点滴静脈内注射に変更された。助産師が訪室するとAさんは「ずっと全身がほてって、だるい感じです」と訴えた。体温36.7 ℃、脈拍80/分、血圧128/80 mmHg。今後最も注意すべき所見はどれか。
- ⑴ 手指の振戦手指の振戦は、リトドリン塩酸塩で起こる症状です。
- ⑵ 下腿の浮腫下腿の浮腫は、この薬の中毒の徴候ではありません。
- ⑶ 腱反射の消失最も早く現れる、中毒の徴候にあたります。
- ⑷ 耳下腺の腫脹耳下腺の腫脹は、この薬とは関係がありません。
- ⑸ 両側の視野狭窄視野狭窄も、この薬の中毒の徴候ではありません。
解説
正解は⑶です。マグネシウム硫酸塩は血中濃度が高くなると神経と筋の伝達を抑えるため、最も早く現れる中毒の徴候が膝蓋腱反射の消失です。さらに進むと呼吸が抑えられ、心停止に至る危険があります。ほてりや倦怠感は投与初期によくみられる症状で、腱反射の確認を定期的に行いながら経過をみます。手指の振戦はリトドリン塩酸塩で起こる症状であり、浮腫や耳下腺の腫脹、視野狭窄は関係がありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-03.html)を加工して作成