酸素投与と血管拡張薬の投与により患者の状態は安定した。尿量測定のために尿道カテー…
78 歳の男性。呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。現病歴 : 昨日まで特に問題なく過ごしていた。深夜から急に喘鳴を伴う呼吸困難が出現したため救急車を要請した。既往歴 : 40 歳時から高血圧症、2 型糖尿病に対して内服治療を受けている。生活歴 : 喫煙は20 歳から50歳まで20 本/日、以後は禁煙している。飲酒歴はない。現 症 : 意識は清明。顔貌は苦悶様。身長165 cm、体重72 kg。体温36.5 ℃。心拍数128/分、整。血圧220/112mmHg。呼吸数32/分。SpO2 95 %(マスク5L/分 酸素投与下)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認める。心音は奔馬調律。両肺野にwheezes を認める。四肢は冷たく、浮腫は認めない。
酸素投与と血管拡張薬の投与により患者の状態は安定した。尿量測定のために尿道カテーテルを留置した。尿道カテーテルはスムーズに挿入できた。留置30 分後に尿道カテーテルの蓄尿バッグを確認したところ、尿が淡血性だった。痛みの訴えはなく、カテーテルからの尿の流出は良好だった。抗血栓薬は内服していない。脈拍96/分、整。血圧146/92mmHg。淡血性尿に関する適切な対応はどれか。
- ⑴ 膀胱洗浄尿の流出は良好で凝血塊による閉塞もなく、膀胱洗浄は不要です。
- ⑵ 抗菌薬投与感染を示唆する所見はなく、抗菌薬は不要です。
- ⑶ 赤血球輸血淡血性尿で循環動態は安定しており、輸血の適応はありません。
- ⑷ 尿色調の経過観察挿入時の軽微な粘膜損傷による一過性の血尿と考えられ、経過観察します。
- ⑸ 尿道カテーテル抜去尿量測定が必要であり、軽微な血尿で抜去する必要はありません。
解説
正解は⑷です。尿道カテーテル留置後に淡血性尿がみられていますが、挿入はスムーズで、痛みはなく、尿の流出も良好で、バイタルサインも安定しています。抗血栓薬も内服していないことから、カテーテル挿入時の軽微な尿道粘膜の損傷による一過性の出血と考えられ、多くは自然に消失します。凝血塊によるカテーテル閉塞や出血の増悪がないかを確認しながら、尿の色調を経過観察するのが適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成