56 歳の女性。大腸癌の末期で在宅療養中である。夫と2 人暮らし。訪問診療の開始…
56 歳の女性。大腸癌の末期で在宅療養中である。夫と2 人暮らし。訪問診療の開始時に本人および同居している夫と話し合い、心肺蘇生処置をしない方針(DNAR)で合意され診療録に記載してある。徐々に全身状態は悪化し、数日前から食事量が低下していた。昨日に意識がもうろうとしたため往診したところ、収縮期血圧が80mmHg 台に低下し、尿量が減少していた。 今朝、呼吸が停止していると夫から連絡があった。1 時間後患者を診察し、呼吸停止と瞳孔散大を確認した。夫にDNAR の方針は変わっていないことを確認したが、別居の息子から心肺蘇生処置を希望された。息子への説明で適切なのはどれか。
- ⑴ 「救急搬送します」本人の意思に反するうえ、救急搬送しても救命の可能性はありません。
- ⑵ 「胸骨圧迫をはじめます」DNARの方針に反し、本人の意思を尊重していません。
- ⑶ 「人工呼吸をはじめます」DNARの方針に反し、本人の意思を尊重していません。
- ⑷ 「お母さんの意思(DNAR)を尊重しましょう」本人が事前に示したDNARの意思を尊重するよう説明するのが適切です。
- ⑸ 「電気ショック(電気的除細動)を試してみます」DNARの方針に反し、心停止からの時間経過からも適応はありません。
解説
正解は⑷です。本人と同居の夫が話し合い、本人の意思としてDNAR(心肺蘇生を行わない)の方針に合意し、診療録に記載されています。末期大腸癌で全身状態が徐々に悪化した経過の中での自然な死であり、呼吸停止から1時間が経過して瞳孔散大も認めます。別居の息子が蘇生を希望しても、本人の意思を最優先して尊重するべきであり、その気持ちに配慮しつつ、本人の意思を尊重するよう丁寧に説明するのが適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成