54 歳の女性。顔面の皮疹と関節痛を主訴に来院した。4 週間前から顔面の皮疹と手…
54 歳の女性。顔面の皮疹と関節痛を主訴に来院した。4 週間前から顔面の皮疹と手関節痛が出現し、徐々に増悪したため受診した。体温36.2 ℃。両頰部に紅斑を認める。硬口蓋に無痛性潰瘍を認める。両側の手関節に腫脹と圧痛を認める。尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球360 万、Hb 11.6 g/dL、白血球3,100、血小板17 万。免疫血清学所見:CRP 0.4 mg/dL、抗核抗体陽性、抗dsDNA 抗体88 IU/mL(基準12 以下)。この患者でまず開始すべき薬剤はどれか。
- ⑴ リツキシマブリツキシマブは難治例に用いることがあり、初期治療として開始する薬ではありません。
- ⑵ シクロフォスファミドシクロホスファミドはループス腎炎など重要臓器障害の寛解導入に用い、本例には過剰です。
- ⑶ ヒドロキシクロロキン皮膚・関節症状に有効で再燃も抑え、全てのSLE患者に推奨される基礎薬です。
- ⑷ ベリムマブ〈抗BAFF 抗体〉ベリムマブは標準治療で効果不十分な場合に追加する生物学的製剤です。
- ⑸ ミコフェノール酸モフェチルミコフェノール酸モフェチルは主にループス腎炎の治療に用いる免疫抑制薬です。
解説
正解は⑶です。頬部紅斑、無痛性口腔潰瘍、関節炎、白血球減少、抗核抗体と抗dsDNA抗体陽性から全身性エリテマトーデス(SLE)と診断されます。尿所見は正常で腎炎や中枢神経障害などの重要臓器病変はなく、皮膚・関節症状が主体の軽症から中等症です。2026年時点の診療ガイドラインでは、ヒドロキシクロロキンが原則として全てのSLE患者に推奨される基礎薬であり、本例ではまず開始すべき薬剤です。必要に応じ少量ステロイドを併用します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成