67 歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。2 週間前から労作時呼吸困難が出…
67 歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。2 週間前から労作時呼吸困難が出現し、急速に悪化したため受診した。手の皮膚所見(別冊No. 26)を別に示す。両側の肘と膝の伸側に落屑を伴う紅斑を認める。両側下肺野にfine crackles を聴取する。徒手筋力テストで、両側三角筋および大腿四頭筋は4 。胸部単純CT で下葉にすりガラス陰影および牽引性気管支拡張を認める。診断に最も有用な自己抗体はどれか。
- ⑴ 抗Scl-70 抗体抗Scl-70抗体は全身性強皮症のびまん皮膚硬化型で陽性となります。
- ⑵ 抗MDA 5 抗体急速進行性間質性肺炎を伴う皮膚筋炎に特徴的な自己抗体です。
- ⑶ 抗ADAMTS-13 抗体抗ADAMTS13抗体は後天性TTPの原因となる抗体です。
- ⑷ 抗RNA ポリメラーゼⅢ抗体抗RNAポリメラーゼⅢ抗体は全身性強皮症で強皮症腎の合併と関連します。
- ⑸ 抗筋特異的チロシンキナーゼ抗体〈抗MuSK 抗体〉抗MuSK抗体は重症筋無力症の一部で陽性となります。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。手の皮膚所見(Gottron丘疹や逆Gottron徴候、メカニクスハンドなど)と、肘・膝伸側の落屑を伴う紅斑(Gottron徴候)があり、軽度の近位筋力低下を伴うことから皮膚筋炎が考えられます。さらに2週間で急速に悪化する間質性肺炎を合併しています。抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎は筋症状が軽微で、急速進行性間質性肺炎を高率に合併し予後不良であるため、早期に診断して強力な免疫抑制療法を行う必要があります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成