日齢15 の男児。NICU 入院中に看護師が血便に気付いたため医師に報告した。在…
日齢15 の男児。NICU 入院中に看護師が血便に気付いたため医師に報告した。在胎26 週、前期破水のために緊急帝王切開で出生した。出生後すぐに気管挿管され、保育器内で人工呼吸管理を行われていた。栄養は人工乳を経鼻胃管から注入され、排便も1 日2 回はみられていた。今朝、経鼻胃管から胆汁を混じた胃液が10 mL 吸引された。身長32 cm、体重830 g。体温37.2 ℃。心拍数180/分、整。血圧46/24mmHg。呼吸数40/分(呼吸器設定:換気回数40/分、FIO2 0.25)。SpO2 96 %。腹部膨隆を認め、腫瘤は触知せず、腹壁の色は暗赤色であった。血液所見:赤血球317 万、Hb 12.1 g/dL、Ht 37 %、血小板12 万。静脈血ガス分析:pH 7.17、PCO2 55 Torr、HCO3⁻20 mEq/L。胸腹部エックス線写真(別冊No. 26)を別に示す。最も考えられる疾患はどれか。
- ⑴ 腸重積症腸重積は乳幼児に多く、超早産児の日齢15で起こることはまれです。
- ⑵ 壊死性腸炎早産児の経腸栄養中の血便、腹部膨隆、腹壁色調変化は壊死性腸炎に典型的です。
- ⑶ 空腸閉鎖症空腸閉鎖症は生後早期から胆汁性嘔吐を示し、本例は排便がみられていました。
- ⑷ 胎便性腹膜炎胎便性腹膜炎は胎児期の腸穿孔によるもので、出生時から腹部石灰化などがみられます。
- ⑸ Hirschsprung 病Hirschsprung病は胎便排泄遅延や腹部膨満を示し、本例の急性経過とは異なります。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。在胎26週・体重830gの超早産児で、人工乳による経管栄養中に、血便、胆汁性の胃内容、腹部膨隆、腹壁の暗赤色変化、代謝性アシドーシスが出現しています。腹部X線では腸管壁内ガス像や門脈内ガスなどが典型的で、壊死性腸炎が最も考えられます。早産、腸管虚血、人工乳、腸内細菌が発症に関わります。治療は絶食、胃内減圧、抗菌薬投与で、穿孔すれば手術が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成