68 歳の女性。腰背部痛を主訴に来院した。本日、起床時に転倒し尻もちをついた後か…
68 歳の女性。腰背部痛を主訴に来院した。本日、起床時に転倒し尻もちをついた後から、腰背部の痛みのため体動困難となったため受診した。40 歳時から関節リウマチでメトトレキサートとグルココルチコイドを内服している。意識は清明。身長152 cm、体重46 kg。体温36.7 ℃。脈拍80/分、整。血圧144/88mmHg。呼吸数16/分。両下肢に感覚障害や運動障害を認めない。背部正中に叩打痛を認める。最も考えられる疾患はどれか。
- ⑴ 尿管結石尿管結石では側腹部から背部の痛みや血尿がみられ、転倒を契機とした正中の叩打痛とは合いません。
- ⑵ 強直性脊椎炎強直性脊椎炎は若年男性に多い慢性の炎症性腰背部痛で、転倒後の急性発症とは合いません。
- ⑶ 脊椎圧迫骨折ステロイド内服による骨粗鬆症を背景に、軽微な外傷で生じた脊椎圧迫骨折が最も考えられます。
- ⑷ 腰部脊柱管狭窄症腰部脊柱管狭窄症は間欠性跛行や下肢のしびれが特徴で、急性発症の正中の叩打痛とは合いません。
- ⑸ 腰椎椎間板ヘルニア腰椎椎間板ヘルニアは下肢の放散痛や神経症状を伴うことが多く、本例とは合いません。
解説
正解は⑶です。関節リウマチで長期にグルココルチコイドを内服している高齢女性が、尻もちという軽微な外傷の後に腰背部痛で体動困難となり、背部正中に叩打痛を認めることから、ステロイド性骨粗鬆症を背景とした脊椎圧迫骨折(脆弱性骨折)が最も考えられます。神経症状はなく、エックス線やMRIで椎体の楔状変形や骨髄浮腫を確認します。グルココルチコイド内服中の患者では、骨密度にかかわらず骨折リスクが高いため、骨粗鬆症の予防治療が重要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成