3 歳の女児。3 歳児健康診査で初めて心雑音を指摘され、両親に連れられて来院した…
3 歳の女児。3 歳児健康診査で初めて心雑音を指摘され、両親に連れられて来院した。保育園での生活に支障はないという。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。心音はⅡ音の固定性分裂を認める。胸骨左縁第2 肋間を最強点とするLevine 2/6 の収縮期雑音と胸骨左縁下部を中心にLevine 2/6 の拡張期雑音とを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝を触知しない。心エコー検査では直径12 mm 程度の心房中隔欠損症を認め、右心房と右心室の拡大を伴う。肺高血圧症を示唆する所見はない。心房中隔欠損症に関する両親への説明で適切なのはどれか。
- ⑴ 「遺伝性の発症が多い疾患です」多くは孤発性で、遺伝性の発症が多い疾患ではありません。
- ⑵ 「保育園での運動は控えましょう」小児期には症状がなく、運動制限の必要はありません。
- ⑶ 「小児期に不整脈を生じることが多いです」不整脈は成人期以降に増えるもので、小児期に多いわけではありません。
- ⑷ 「心臓の負担をとるために塩分制限が必要です」小児期に心不全はほとんどなく、塩分制限は不要です。
- ⑸ 「適切なタイミングで欠損孔の閉鎖治療が必要か考えます」右心系の拡大を伴っており、適切な時期の閉鎖治療を検討します。
解説
正解は⑸です。Ⅱ音の固定性分裂、肺動脈弁領域の収縮期駆出性雑音(相対的肺動脈弁狭窄)、三尖弁領域の拡張期ランブル(相対的三尖弁狭窄)、心エコーで12 mmの心房中隔欠損と右心系の拡大を認めます。右心系の拡大を伴う心房中隔欠損では、将来の右心不全、心房性不整脈、肺高血圧を防ぐため、適切な時期にカテーテルによる経皮的閉鎖術や外科手術による閉鎖を検討します。小児期の運動制限や塩分制限は不要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成