32歳の男性。3日前から頭痛と発熱があり、本日、家族から「言うことがおかしい」と…
32歳の男性。3日前から頭痛と発熱があり、本日、家族から「言うことがおかしい」と連れられて受診した。項部硬直があり、両眼の眼底で視神経乳頭が腫れている。右の手足がやや動かしにくい。研修医は髄膜炎を疑い、すぐに腰椎穿刺を行おうとした。指導医の助言として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 頭蓋内圧が高い所見があるので、穿刺の前に頭部CTで原因の病変を確かめる視神経乳頭の腫れや片側の麻痺があるときに穿刺すると、脳ヘルニアを起こすおそれがあります。先に頭部の画像で確かめます。
- ⑵ 髄膜炎が疑われるので、画像検査を待たずにすぐ腰椎穿刺を行って髄液を採る頭蓋内の圧が高い状態で穿刺すると、圧の差で脳が押し下げられ、脳ヘルニアを起こす危険があります。
- ⑶ 腰椎穿刺は脊髄を傷つけないよう、首の骨の高さで針を刺すよう伝える腰椎穿刺は脊髄の下端より下の腰椎の間で行います。首の高さで刺すことはありません。
- ⑷ 髄膜炎の診断には髄液は不要なので、穿刺は行わずに経過をみるよう伝える髄液の検査は原因の診断に重要です。安全を確かめたうえで行います。
- ⑸ 腰椎穿刺の前に、患者をうつぶせにして背中をまっすぐ伸ばした姿勢をとらせる腰椎穿刺は横向きで背中を丸めた姿勢で行います。この助言は手技の要点としても誤りです。
解説
最も適切なのは、頭蓋内の圧が高い所見があるので、穿刺の前に頭部CTで圧を高める病変がないかを確かめるよう助言することです。視神経乳頭の腫れ、意識の変化、片側の麻痺などは、脳膿瘍や出血など頭蓋内の圧を高める病変の存在を疑わせます。この状態で腰椎から髄液を抜くと、頭と腰の圧の差で脳が押し下げられ、脳ヘルニアを起こすことがあります。治療を遅らせないよう、血液培養を採って抗菌薬を先に始めることも考えます。
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