34歳の女性。2か月前から夕方になるとまぶたが下がり、物が二重に見える。朝は症状…
34歳の女性。2か月前から夕方になるとまぶたが下がり、物が二重に見える。朝は症状が軽い。最近は、食事の終わりごろに噛む力が弱くなる。手足の感覚に異常はない。神経から筋肉への伝達を受け取る部分に対する抗体が陽性であった。この女性に追加して行う検査として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 筋肉の一部を切り取って、筋線維が壊れて置き換わっていないかを調べる筋肉そのものが壊れる病気ではなく、筋生検は診断のためにまず行う検査ではありません。
- ⑵ 頭部MRIで、物を見る中枢のある後頭葉に梗塞がないかを調べる症状が夕方に悪化し休むと良くなる経過は、脳梗塞ではなく神経と筋肉のつなぎ目の病気を示します。
- ⑶ 胸部CTで、胸の前の方にある胸腺に腫瘍や腫れがないかを調べる重症筋無力症では胸腺の腫瘍や過形成を合併することが多く、胸部CTで確かめます。胸腺の切除が治療になることもあります。
- ⑷ 腰椎穿刺で髄液を採り、細菌による髄膜炎の有無を調べる発熱や頭痛はなく、症状の日内変動からも髄膜炎は考えにくいです。
- ⑸ 末梢の神経に電気を流して、手足の感覚の神経の伝わる速さを調べる感覚に異常はなく、この病気では感覚の神経の伝導は正常です。
解説
最も適切なのは、胸部CTで胸腺に腫瘍や腫れがないかを調べることです。夕方に悪化して休むと改善するまぶたの下垂、複視、噛む力の低下は、神経と筋肉のつなぎ目の伝達が自己抗体で妨げられる重症筋無力症の特徴です。この病気では胸腺の腫瘍や過形成を合併することが多く、胸腺を切除すると症状が改善することもあります。診断がついたら、胸腺の評価を合わせて治療の方針を決めます。
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