72 歳の女性。歩行困難を主訴に来院した。10 年前から便秘で、5 年前から嗅覚…
72 歳の女性。歩行困難を主訴に来院した。10 年前から便秘で、5 年前から嗅覚の低下を自覚している。2 年前から料理のときに右手で炒めものをかき混ぜづらくなった。症状は徐々に進行し、3 か月前から歩行が不安定となったため受診した。眼球運動は正常。仮面様顔貌と小声で早口の構語障害を認める。四肢では特に右上肢で中等度の筋強剛と静止時振戦を認める。四肢の筋力低下は認めない。Romberg 徴候は陰性で感覚障害を認めない。痙縮はなく腱反射は正常である。起立は自力でできるが、姿勢反射障害がある。頭部MRI で異常を認めない。ドパミントランスポーターSPECT で左側線条体の取込み低下を認める。この患者にみられる歩行障害はどれか。
- ⑴ 鶏歩前脛骨筋の筋力低下による下垂足でみられる歩行です。
- ⑵ 小刻み歩行Parkinson病に特徴的な歩幅の狭いすり足歩行です。
- ⑶ 動揺性歩行筋ジストロフィーなどの近位筋の筋力低下でみられる歩行です。
- ⑷ はさみ足歩行痙性対麻痺などでみられ、下肢が交差する歩行です。
- ⑸ マグネット歩行足が床に吸い付いたような歩行で、正常圧水頭症でみられます。
解説
正解は⑵です。便秘や嗅覚低下が先行し、右上肢から始まる片側優位の筋強剛と静止時振戦、仮面様顔貌、小声、姿勢反射障害があり、ドパミントランスポーターSPECTで線条体の取り込み低下を認めることから、Parkinson病と診断されます。Parkinson病では前傾姿勢で歩幅が狭く、すり足で歩く小刻み歩行、歩き出しの困難(すくみ足)、歩くうちに加速する突進現象などがみられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成