32歳の妊婦。妊娠32週の妊婦健康診査で血液検査を受けたところ、血清アルカリホス…
32歳の妊婦。妊娠32週の妊婦健康診査で血液検査を受けたところ、血清アルカリホスファターゼ(ALP)が妊娠前の約2倍に上がっていた。AST、ALT、ビリルビンは正常で、かゆみや腹痛はない。この結果の解釈として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 採血のときに赤血球が壊れて、中の酵素が血清に漏れ出たための見かけの上昇と考える赤血球が壊れて大きく上がるのはカリウムやASTなどで、アルカリホスファターゼの上昇の説明になりません。
- ⑵ 妊娠中に増えた血液で薄まったために、本来の値より高く測定されたと考える血液が薄まれば値は下がる方向に動きます。高く測定される理由にはなりません。
- ⑶ 骨に転移した癌が骨を壊しているため上がったと考え、全身の骨の検査を行う妊娠後期のアルカリホスファターゼの上昇は胎盤由来が多く、骨転移を疑う根拠はありません。
- ⑷ 胎盤から出る酵素が加わって上がったもので、妊娠中の生理的な変化と考える妊娠後期には胎盤でアルカリホスファターゼが作られ、血清の値が上がります。ほかの肝機能が正常なら生理的な変化と考えられます。
- ⑸ 胆汁の流れが滞った重い肝臓病の始まりで、すぐに肝生検が必要と考えるビリルビンやほかの肝機能は正常で、かゆみもありません。妊娠による生理的な上昇で説明できます。
解説
最も適切なのは、胎盤から出る酵素が加わって上がったもので、妊娠中の生理的な変化と考えることです。アルカリホスファターゼは肝臓や骨だけでなく胎盤でも作られ、妊娠後期には胎盤由来の分が加わって、非妊時の2倍ほどに上がることがあります。検査の値を解釈するときは、妊娠や成長期、食事などの生理的な要因で変わる項目があることを知っておく必要があります。ほかの肝機能が正常で症状もないこの例では、病気を疑う必要は低いです。
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