58歳の男性。2型糖尿病で通院している。3か月前から新しい糖尿病の薬が加わった。…
58歳の男性。2型糖尿病で通院している。3か月前から新しい糖尿病の薬が加わった。本日の尿検査で尿糖が強陽性であったが、空腹時の血糖は108 mg/dLで、HbA1cは前回より下がっている。男性は「尿に糖が出ているのは悪くなったからか」と心配している。この尿糖の説明として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 腎臓で尿から糖を取り戻す働きを抑える薬の作用で、尿に糖が出ている一部の糖尿病の薬は、腎臓の尿細管で糖を再吸収する輸送体を妨げ、糖を尿に出して血糖を下げます。血糖が正常でも尿糖は陽性になります。
- ⑵ 腎臓の糸球体が壊れて、血液中の糖とたんぱくが一緒に漏れ出ている糸球体の障害ではたんぱく尿が主で、尿糖が強陽性になる仕組みではありません。
- ⑶ 血糖が尿に糖のあふれ出る値を超えるほど高いため、尿に糖が出ている空腹時の血糖は正常に近く、HbA1cも下がっています。血糖が高すぎるためとは考えられません。
- ⑷ 前の晩に甘い物を食べたため、食べた糖がそのまま尿に出ている健康な腎臓では、食べた糖が血糖を大きく超えて尿に出ることは通常ありません。
- ⑸ 尿路に細菌が感染し、細菌が作った糖が尿の中に出ている細菌が尿の中で糖を作ることはなく、尿糖の原因にはなりません。
解説
最も適切なのは、腎臓で尿から糖を取り戻す働きを抑える薬の作用で尿に糖が出ているという説明です。腎臓の糸球体でこし出された糖は、ふつう尿細管でほとんど再吸収されます。糖尿病の治療薬の一つは、この再吸収を担う輸送体を妨げて糖を尿に出し、血糖を下げます。そのため、血糖が良好でも尿糖は強陽性になります。尿糖の結果を解釈するときは、内服している薬を確かめることが大切です。
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