17歳の男子。数か月前から左の陰嚢が重苦しく、長く立っていると鈍い痛みがあるため…
17歳の男子。数か月前から左の陰嚢が重苦しく、長く立っていると鈍い痛みがあるため受診した。立った姿勢で診察すると、左の精巣の上に、ミミズが集まったような柔らかい塊を触れる。あお向けに寝てもらうと塊は小さくなる。精巣自体の大きさと硬さに異常はない。この所見の原因として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 腸の一部が足の付け根から陰嚢に下りてきて、ふくらみを作っている腸が下りてくる場合は咳でふくらみが強まり、精巣の上の細いミミズ状の塊にはなりません。
- ⑵ 精巣そのものに硬い腫瘍ができ、痛みのない硬い塊として触れている精巣自体の大きさと硬さは正常で、柔らかく体位で大きさが変わる塊は腫瘍の所見ではありません。
- ⑶ 精巣から戻る静脈が広がってこぶのようになった立つと目立ち横になると小さくなる、ミミズが集まったような柔らかい塊は、精索静脈瘤の特徴で、左側に多くみられます。
- ⑷ 精巣が根もとでねじれて血流が途絶え、強い痛みと腫れが出ている精巣の捻転は突然の激しい痛みで発症し、数か月続く鈍い痛みとは経過が異なります。
- ⑸ 精巣を包む膜の内側に液体がたまり、陰嚢全体がふくらんでいる液体がたまる陰嚢水腫は精巣を包むように均一にふくらみ、ミミズのような塊にはなりません。
解説
最も考えられるのは、精巣から戻る静脈の流れが滞り、静脈が広がってこぶのようになった精索静脈瘤です。左の精巣の静脈は左腎静脈に直角に流れ込むため、血液が戻りにくく、左側に起こりやすいとされます。立った姿勢では静脈に血液がたまって目立ち、横になると流れが戻って小さくなるのが特徴です。思春期以降の男性にみられ、陰嚢の重苦しさや不妊の原因になることがあります。
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