3歳の男児。入浴時に右の陰嚢が大きいことに母親が気づき受診した。痛がる様子はなく…
3歳の男児。入浴時に右の陰嚢が大きいことに母親が気づき受診した。痛がる様子はなく、機嫌もよい。右陰嚢は柔らかく腫大し、圧痛はない。腫大の上端は触れることができ、鼠径部まで続いてはいない。暗い部屋でペンライトを陰嚢に当てると、全体が赤く透けて見えた。最も考えられる状態はどれか。
- ⑴ 精巣を包む膜の内側に液体がたまっている。痛みのない柔らかい腫大で光をよく通すのは、精巣の周りに液体がたまった陰嚢水腫の所見です。
- ⑵ 精巣上体に細菌が入り込んで炎症が起きている。精巣上体炎では痛みや発赤、圧痛を伴います。痛みも圧痛もないこの児の所見とは合いません。
- ⑶ 精巣に硬い腫瘍ができて大きくなりつつある。精巣腫瘍は硬い充実性の腫大で、光を透しません。柔らかく透光性がある所見とは合いません。
- ⑷ 腹腔内の腸管が鼠径部を通って降りてきている。鼠径ヘルニアでは腫大が鼠径部まで続き、上端を触れられず、腸管があるため光を透しにくいです。
- ⑸ 精巣が精索を軸にねじれて血流が途絶えている。精巣捻転では突然の強い痛みと腫れが起こります。痛みのない状態とは合いません。
解説
精巣を包む膜の内側に液体がたまった陰嚢水腫が最も考えられます。陰嚢水腫は痛みのない柔らかい腫大で、内容が液体のため光をよく通し、腫大の上端を触れることができます。鼠径ヘルニアでは腫大が鼠径部まで続き、腸管があるため光を透しにくくなります。精巣捻転や精巣上体炎は痛みを伴い、精巣腫瘍は硬い充実性の腫大で光を透しません。
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