42歳の男性。今朝起きて歯をみがくと、口の右端から水がこぼれ、鏡を見ると右の顔が…
42歳の男性。今朝起きて歯をみがくと、口の右端から水がこぼれ、鏡を見ると右の顔が動きにくくなっていた。手足の麻痺やしびれ、言葉のもつれはない。診察すると、右の額にしわを寄せることができず、右の目を閉じきれない。右の口角も上がらない。この顔の動きにくさについての判断として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 顔の感覚を伝える三叉神経が障害され、顔の筋肉が動かせなくなったと考える三叉神経は顔の感覚とかむ筋肉を担い、表情をつくる筋肉は動かしません。
- ⑵ 目を閉じきれないので、目を動かす動眼神経が障害されたものと考える目を閉じる筋肉は顔面神経が動かします。動眼神経はまぶたを持ち上げる筋肉などを動かす神経です。
- ⑶ 額のしわ寄せもできないので、顔面神経そのものが障害されたものと考える額の筋肉は左右の大脳から指令を受けるため、脳の障害では額のしわ寄せは保たれます。額も動かないのは顔面神経そのものの障害を示します。
- ⑷ 右の口角が上がらないので、左の大脳の運動の中枢に脳梗塞が起きたと考える大脳の障害では額のしわ寄せは保たれます。額まで動かないことは、脳の病変ではなく末梢の神経の障害を示します。
- ⑸ 舌を動かす舌下神経の障害で、口から水がこぼれるようになったと考える舌下神経は舌の動きを担い、額や目の周りの筋肉の麻痺は説明できません。
解説
最も適切なのは、額のしわ寄せもできないことから、顔面神経そのものが障害されたと考えることです。表情をつくる筋肉は顔面神経が動かしますが、額の筋肉は左右両方の大脳から指令を受けています。このため、大脳の障害では反対側の口の周りは動きにくくなっても額のしわ寄せは保たれます。この男性は額も目も口も片側全体が動かず、ほかの神経症状もないため、末梢性の顔面神経麻痺と判断できます。
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