28歳の女性。半年前から「手にばい菌が付いている」という考えが何度も頭に浮かび、…
28歳の女性。半年前から「手にばい菌が付いている」という考えが何度も頭に浮かび、1回に30分以上手を洗うことを1日に何十回もくり返している。本人も「ここまで洗う必要はないと分かっているが、やめられない」と話し、手は荒れて出勤にも遅れるようになった。幻聴や妄想はない。この状態として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 人前で注目されることを強く恐れ、人と会う場面を避けるようになった状態人前に出る場面への恐れは社交不安の特徴で、手洗いをくり返す行為は説明できません。
- ⑵ 手が汚れているという考えを本人がまったく疑わず、事実だと確信している状態本人は「洗う必要はない」と分かっており、訂正できない確信である妄想とは異なります。
- ⑶ 実際にはない声が「手を洗え」と命じ、その声に従って洗い続けている状態幻聴はなく、本人は考えを自分のものと認識しています。命令する声に従う幻聴とは異なります。
- ⑷ 不合理だと分かっている考えが浮かび、それを打ち消すための行為をやめられない状態本人が不合理と認識している考えがくり返し浮かび、それを打ち消す行為をくり返して生活に支障が出るのは、強迫症の特徴です。
- ⑸ 突然強い動悸と息苦しさが起こり、次の発作を恐れて外出できない状態発作的な不安と予期不安は別の不安症の特徴で、考えを打ち消す行為のくり返しとは異なります。
解説
最も考えられるのは、不合理だと分かっている考えが浮かび、それを打ち消すための行為をやめられない状態、すなわち強迫症です。強迫症では、汚れや確認などに関する考えが本人の意思に反してくり返し浮かび(強迫観念)、それによる不安を打ち消すために手洗いや確認などの行為をくり返します(強迫行為)。本人がその不合理さを自覚している点で妄想とは異なります。治療には認知行動療法や抗うつ薬が用いられます。
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