45歳の男性。毎日日本酒を5合飲んでいる。昨夜、宴会で大量に飲酒したあと、みぞお…
45歳の男性。毎日日本酒を5合飲んでいる。昨夜、宴会で大量に飲酒したあと、みぞおちから背中に突き抜けるような強い痛みが始まり、何度も吐いたため受診した。前かがみになると痛みがやや和らぐ。上腹部に圧痛があり、血清アミラーゼとリパーゼが高値である。この痛みの原因として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 心臓の下の面の筋肉に血液が届かなくなり、みぞおちの痛みとして感じた心筋の虚血でもみぞおちが痛むことはありますが、膵酵素の上昇は説明できません。
- ⑵ 激しい嘔吐で食道と胃のつなぎ目の粘膜が裂け、そこから出血している粘膜の裂傷では吐血がみられ、背部へ抜ける痛みや膵酵素の上昇は起こりません。
- ⑶ 胃の粘膜に潰瘍ができて胃の壁を貫き、胃の内容物が腹腔に漏れ出した消化管に穴が開いた場合は腹部全体の強い痛みと腹膜刺激症状が出ます。膵酵素の上昇とも合いません。
- ⑷ 胆嚢の出口に石が詰まり、胆嚢が腫れて右の肋骨の下を中心に炎症が起こった胆嚢炎の痛みは右の肋骨の下が中心で、背部に突き抜ける痛みと膵酵素の上昇は膵臓の病変を示します。
- ⑸ 膵臓の消化酵素が膵臓の中で働き出し、膵臓自体とその周りに炎症を起こした大量飲酒のあとに背部へ抜ける上腹部痛と膵酵素の上昇があれば、急性膵炎が最も考えられます。
解説
最も考えられるのは、膵臓の消化酵素が膵臓の中で働き出し、膵臓自体とその周りに炎症を起こした急性膵炎です。急性膵炎の主な原因は大量の飲酒と胆石です。みぞおちから背部へ突き抜けるような持続する痛みが特徴で、前かがみになると和らぐことがあります。血液検査でアミラーゼやリパーゼなどの膵酵素が上昇し、画像検査で膵臓の腫れを確かめます。消化管の穿孔や胆嚢炎、心筋の虚血も上腹部痛を起こしますが、膵酵素の上昇は説明できない点で異なります。
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