68歳の男性。変形性膝関節症のため非ステロイド性抗炎症薬を3か月前から内服してい…
68歳の男性。変形性膝関節症のため非ステロイド性抗炎症薬を3か月前から内服している。2日前から黒く粘り気のある便が出ており、本日立ち上がった時にふらついたため受診した。脈拍108/分、血圧96/60 mmHg。ヘモグロビン8.6 g/dL、尿素窒素38 mg/dL、クレアチニン0.9 mg/dL。この患者の出血部位として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 鼻の奥の粘膜から出てのどへ流れ込んだ出血飲み込んだ鼻出血でも黒色便になり得ますが、鼻出血の訴えがなく、薬剤歴からは消化管の潰瘍が考えやすいです。
- ⑵ 胃または十二指腸の粘膜に生じた潰瘍からの出血黒色便と、クレアチニンに比べた尿素窒素の上昇は上部消化管出血を示します。薬剤の服用歴から潰瘍が疑われます。
- ⑶ 肛門の近くにある静脈のふくらみからの出血痔核からの出血は排便時の鮮血が典型で、黒色便や尿素窒素の上昇は起こりません。
- ⑷ 大腸の壁から外に飛び出した小さな袋からの出血大腸憩室出血は暗赤色から鮮紅色の血便が多く、尿素窒素の上昇も目立ちません。
- ⑸ 直腸の粘膜にできた腫瘍の表面からの出血直腸からの出血では鮮やかな赤い血が便に付くことが多く、黒く粘り気のある便にはなりにくいです。
解説
胃または十二指腸の潰瘍からの出血が最も考えられます。黒く粘り気のある便は、血液が胃酸や腸内細菌で変化したもので、主に上部消化管からの出血を示します。また血液の蛋白が吸収されるため、クレアチニンに比べて尿素窒素が上がります。非ステロイド性抗炎症薬は胃や十二指腸の粘膜を傷つけ潰瘍の原因になります。下部消化管や痔核からの出血は、赤い血便が典型です。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。