42歳の男性。健康診断で高血圧と尿潜血を指摘されて受診した。父親は50歳代で透析…
42歳の男性。健康診断で高血圧と尿潜血を指摘されて受診した。父親は50歳代で透析を始め、くも膜下出血で亡くなっている。腹部の両側に大きな腫瘤を触れる。超音波検査で、両側の腎臓が大きくなり、大小多数の嚢胞で置き換わっている。肝臓にも嚢胞がある。この男性について行う対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 血圧を管理しつつ、頭部の血管に動脈瘤がないかを調べる。常染色体顕性多発性嚢胞腎では脳動脈瘤を合併しやすく、家族にくも膜下出血がある場合はとくに調べます。
- ⑵ 遺伝する病気ではないので、子どもやきょうだいへの説明や検査は必要ない。多くは常染色体顕性で遺伝し、子は2分の1の確率で受け継ぎます。家族への情報提供が大切です。
- ⑶ 細菌感染による嚢胞と考え、抗菌薬を長期間内服して嚢胞を縮小させる。嚢胞は遺伝的な病気によるもので、感染が原因ではありません。抗菌薬で縮小することはありません。
- ⑷ 嚢胞に針を刺して中の液体を1つずつ抜き、腎臓の大きさを元に戻す。多数の嚢胞を穿刺しても病気の進行は止まらず、出血や感染の危険が増えます。
- ⑸ 腎臓の嚢胞は悪性化しやすいので、両側の腎臓を早急に摘出する。多発性嚢胞腎の嚢胞は良性で、腎臓を早急に摘出する必要はありません。
解説
血圧を管理して腎機能の推移を見ながら、頭部の血管に動脈瘤がないかを調べるのが適切です。両側の腎臓が多数の嚢胞で大きくなり、肝嚢胞を伴い、父親も透析とくも膜下出血を経験していることから、常染色体顕性多発性嚢胞腎が考えられます。この病気では腎機能が徐々に低下し、高血圧や脳動脈瘤を合併しやすくなります。降圧で腎臓を守り、脳動脈瘤を調べ、家族にも遺伝の可能性を伝えます。
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